人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Saturday, February 7, 2009

「…うーむ。」
英雄はもしやと思い、押入れを開けた。

「…おはよう。兄者。」
押入れの中には、ラジコンのコントローラーを持ち、ボイスチェンジャー付きマイクを装着した達人がいた。
「貴様何をしているッ!!?」
「兄者の手助けだ。」
「どこが手助けだぁぁッ!!?プスプスプスプス!ちまちま痛いだろうがッ!!」
「どうやら、目は完全に覚めたようだな。では、私の任務は完了だ。」
達人は悪びれる様子も無く、眉一つ動かさず言った。
「では、私は走りこみに行ってくる。母上が朝食の準備をなされているから、早く行ったほうがいいぞ。」
そう言うと達人は外出してしまった。
英雄は鳴き続ける30体のファーピーと共に取り残された。

 ***

「おはようございまふ…。」
「遅い。17分26秒の寝坊だ。」
みどりが苛立ちを抑えた低い声で言った。
食卓にはすでに冷め切ったトーストとベーコンエッグが置かれている。
「あのう…あの達人ファーピーはいらないのでは…。」
「ただのファーピーでは起きないだろう。」
「でも暴力は…」
英雄はぶつぶつ言いながら冷めたトーストに溶けかけのマーガリンを塗った。
「では、明日からは武力行使ではなく経済制裁にするか?」
「うぐ……変えなくていいです…。」


  Text by COUDY
# by yamakita_he | 2009-02-07 19:25 | 本編

2009/2/5(torstai)

「なっなんだこれ…?」

愛くるしい(?)ファービーの中にパンチパーマ&サングラス&口ひげを生やしている、まさにマサさん!と呼びたくなる様なファービーが居る。
『起キロ!ッテノガワカランノカゴルァ!』

ナニカセリフカワッテマスケド…

とりあえず、一番ウザイマサファービーに手を伸ばした所で英雄の手に激痛が走った。

「うがぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

右手の掌を見ると何故かマチ針が刺さっている。
こんなもん射した覚えも無いし射す趣味も無い英雄は落ち着いて考えてみた。

パターン1:
寝てる時に『偶然』落ちてて刺さった。

パターン2:
実は夢遊病で自分で射した。

パターン3:
実は存在意識でそういう趣味があった。

「う~む」
英雄の中では1も捨てがたいが3も実は…みたいな事を考えてると何故かこの前拾ったパチンコ玉を耳に詰めて布団にもぐりこんだ。

プス。

「うぎゃァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

額に激痛を感じて、英雄が飛び起きると何故か額にマチ針が刺さってる。

「う~む答えは2だったか…」

英雄の中で答えが出たところで目の前にいる何者かに視線をむけてみたりする。

「うむ。マサファービだ。」

『ダレガマサファービージャゴルァッ!』

ボゴッ!

あえて擬音はボゴッ!
だって、英雄が布団から対角線上にある押入れまでふっとんでるし。

「うぐぐぐぐっ…」
『エェカ!?ワシャァコレカラ貴様が一人前ノ跡取リニナレルヨウ教育ヲ仰セ付カッタ、ヨシミジャァァァ!宜シクヤケンノゥ!』

何故かファービーが自己紹介してます。
しかも煙草吸いますか。あ。ちゃんと灰は灰皿に入れるのですね。環境に優しいですね。
でもその成りでよしみってぇぇっぇぇぇぇ!

今度は布団に吹っ飛ばされた。

英雄早朝にして残りHPが5まで減った!

『貴様ァァ!親ガ名ヅケテクダサッタサシノ名前ニ文句アルンカァ!』

「いっいえ…文句なぞ…ございません…」

『ナラエェ。トットト着替エテ下ニ降リィ』

「あっあのぅ…一つ質問宜しいでしょうか…?」

『ナンジャイ?』

「えっと…親ってダレデスカ?」

『ンナモン決マッテオルジャロウ!座間みどりノ姐御ジャァ!』

by s.A.T.u.
# by yamakita_he | 2009-02-05 23:42

Friday, January 30, 2009

…ふぁ…ファーピー??」
ファーピーとは、鳥とも猫とも狸とも似つかない架空の動物のぬいぐるみである。
簡単な人工知能が組み込んであり、語りかけると返事を返してくれる代物だ。
「な…なんでファーピーがこんな所に…?しかも、こんなにたくさん?
 …も、もしや、那美からの贈り物!?」
「それはな」
後片付けを終えた母・みどりが背後から声をかけた。
「既存のファーピーに私が目覚まし機能を組み込んだものだ。0555時より2分おきに鳴るよう、30体仕掛けてある。
 鳴き始めたら鼻を押すと止まるが、永久スヌーズ機能付きで私の遠隔操作によってのみスイッチが切れる。」
「それって…つまり…」
「完全に起きるまでは決して鳴き止まない、ということだ。」
「…そ、そんな…」
英雄はがくっと膝から崩れ落ちた。
「それから、主電源や電池の外蓋、機械部などに触れると電流が流れるよう施してある。変な気は起こさないことだ。
 では、私は就寝する。明日は6時前に起床し、朝食を作っておこう。」
母は去った。
「なぜ…俺がこんな目に…」

 ***

『朝ダヨ!起キテ!!』
『朝ダヨ!起キテ!!』
「む、むむ…」
『朝ダヨ!起キテ!!』
『朝ダヨ!起キテ!!』
「…むにゃむにゃ…もう食べられにゃい…」
『朝ダヨ!起キテ!!』
『朝ダヨ!起キテ!!』
『朝ダヨ!起キテ!!』
「……む…うるさい…」
『朝ダヨ!起キテ!!』
『朝ダヨ!起キテ!!』
『起キロゴルァ!!!!』
英雄はびくっとして飛び起きた。
『朝ダヨ!起キテ!!』
『朝ダヨ!起キテ!!』
『起キロゴルァ!!!!』
『朝ダヨ!起キテ!!』
一体変なのが混じっているようだ。


  Text by COUDY
# by yamakita_he | 2009-01-30 21:44 | 本編

2009/1/29(torstai)

「いぃ!とっとと入って来い!」
「そうか。では先に失礼する」
そう言うと童謡「むすんでひらいて」と同メロディーの某軍歌を歌いながら風呂場へ向かって行った。
茶の間に取り残された英雄はとりあえず、近場にあった座布団を殴ってみた。

ゴッ!!

説明しよう!!座間家の茶の間に惹かれている畳は30年前から張替えばされておらず、その方さはモース硬度10の柘榴石と同じかもしれない硬さなのだ!
モース硬度が解らない良い子達は「ねぇねぇ、おかあさん。おとうさんのもーすこうどってどれくらい?」と聞いてみるといいよ!
ちなみに、座布団は使用年数7年のつわもので、まったくクッションの役割をはたしてないね!

とりあえず、英雄が悶絶から回復する間に112秒要した。

「う~む…どうしたものか…。とりあえず誰かに早く起きるコツを聞いてみよう…」
ポケットから携帯を取り出しとりあえず着信履歴の一番上からかけてみることにした。

「お電話ありがとうございます、アニメショップげーまずー錦糸町店です!」
「えっと…早起きする方法を教えてください」
「…えっと少々お待ちください(カタカタカタ)…申し訳ございません。その様な商品は扱っておりません」
「あっそうですか解りました」

次。

「はい、ゲームショップOGE墨田区錦糸町店です」
「すみません、早起きする方法教えてください」
「えっと…『早起きする方法を教えて』でよろしいですか?」
「はい」
「少々お待ちください…(カタカタカタ)…(ペラペラペラ)…申し訳ございません。当店にはその様なタイトルの商品は取り扱っておりません」
「あっそうですか、わかりました」

…次。

「はい、まじかるばーがーひゅーまっくどなるどきん(略」
「すみま(略」
「え…その様なしょ(略」
「(略」

……次。

「おぅなんだ英雄」
「あ。幸輔?あのさぁ早起きの方法教えてー」
「寝ろ。ツーツーツー」
「……」

英雄はとりあえず、寝ることにしてみた。
決してそれ以上電話が出来る相手が居ない訳ではない!
多分ない!

部屋に戻ると英雄の部屋に見慣れない物体が群をなしいた。
「こっこれは…!?

by s.A.T.u.
# by yamakita_he | 2009-01-30 02:03 | 本編

Friday, January 23, 2009

「達人ッ!お前適当にもほどがあるぞ!!そんなんであのピチピチお肌が維持できるものかッ!!」
「疑うなら、実際に齋藤殿に訊いてみてはどうか?」
「ぬぬ…
 そ、そうか。わかったぞ!!その代わり、夜は8時くらいに寝ているのだなッ!!」
「いや、恐らくは早くても0時だ。」
「そんな生活ができる人間がいるかぁぁぁあぁぁぁぁああああぁぁッ!!!!」

「ゴホン!…そろそろ決議に入ります。」
埒が明かないと判断した英作が強制的に切った。
「では、この件に関して賛成の方は挙手をお願いします。」
「はい。」
「はい。」
「うむ。」
「3名ですね。では、一応反対の方は挙手を…」
「はいッ!はいはい!はーいッ!!」
英雄は両手両脚をピンと伸ばして高く掲げた。
「3対4か…つまりは否決ッ!
 致し方あるまい!民主主義とは恐ろしいものよ!」
両手と両脚で4のつもりのようだ。
「……では、3対1で可決とします。英雄は明日から6時に起床すること。」
「えぇッ!そんなバカな!!!」
「それでは、終了時刻を大幅に過ぎていますので本日はこれで閉会します。
 この議題については明日以降引き続き協議することとします。」

英作の言葉を合図に、みどりは後片付けに、梅は自室にそれぞれ散った。
英作は茶を啜りながらテレビをつけ、ゴルフ番組を見始めた。
英雄は両手と両脚を挙げたまま硬直している。
「兄者、私は風呂に入ろうと思うが、兄者先に入るか?」
「……た、達人…!この裏切り者がッ!!」
英雄は達人の胸倉を掴んだ。
「裏切り者…?兄者のことを思うがこそだ。兄者のやる気と情熱を感じ取ったからには、全力でバックアップせねばなるまい。それが例え厳しい道のりであろうと。」
「6時は早すぎるだろうが!貴様俺の生活リズムを知ってるだろうッ!?」
「…兄者にその気が無いのなら、無理に6時に起床する義務はないのだぞ?」
「ぐぐぐ…」
英雄は手を放した。
「して、風呂は先に入るか?兄者。」


  Text by COUDY
# by yamakita_he | 2009-01-23 21:25 | 本編